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鼠径(そけい)ヘルニア

鼠径(そけい)ヘルニアとは?

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脱腸ともいいます。 下腹部の足の付け根付近のことを鼠径(そけい)部といいます。 そこから小腸などが腹膜をかぶりながら押し出された状態を鼠径ヘルニア(脱腸)といいます。

原因は乳幼児は生まれたときから存在する先天性が多いですが、成人の場合は身体の組織、特に筋肉、筋膜が弱くなったところに、腹圧がかかってできることが要因です。

症状は立ったり、お腹に力を入れたときに鼠径部に柔らかいふくらみがでてきます。寝たり、手で押さえると元のお腹にもどります。

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 注意
ヘルニア(脱腸)が出っ放しで、元に戻らなくなった状態を嵌頓といい、これを放置すると、腸閉塞、腸壊死で緊急手術になるときもあります。

治療方法

治療ですが、手術が唯一の治療方法です。大きく分けて2通りあります。

①鼠径部切開法

鼠径部の膨らんでいるところを約5cm皮膚切開して、直接ヘルニアの元になっている腹膜をお腹の中に戻し、そこに医療用のメッシュを挿入して再び出てこないようにする方法です。

②腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術

全身麻酔をかけて、カメラや、鉗子という手の役割を担う棒をお腹の中に挿入して、お腹の中から治療をする方法ですが、お腹のなかからのアプローチなので、術後合併症も危惧しないといけないので、当院ではとりあつかっておりません。しかるべき医療機関に紹介させていただきます。

治療の流れ

初診

まず診察させていただきます(理学的診断)。その後エコー検査をさせていただきます。理学的診断と画像診断的もって、鼠径ヘルニアを診断させていただきます。

その後治療方針の相談をさせていただきます。その時患者様が内服されているお薬を確認させていただきます。脳梗塞や心臓病のため抗凝固剤を飲まれている方でも、薬を中止せずに手術します。最後に手術に必要な検査(心電図、採血)とをさせていただきます。

手術

手術30分程前に来院してください。お着換えをしていただき、手術部位を清拭させていただきます。基本的に体毛は剃らなくてもいいです。ただあまりに体毛が多いときは、少しカットさせていただきます。(ツルツルにはしません)

手術は、局所麻酔と希望された時、鎮静剤(眠り薬の点滴)投与して施行させていただきます。局所麻酔と鎮静剤により痛みも不安もない状態で手術がとりおこなわれます。30分から1時間ほどで手術は終了します。手術方法は主としてダイレクトクーゲルパッチ法で行います。(まれにメッシュ・プラグ法)

手術後

手術後30分から1時間は、院内で安静にしていただき、水分摂取、トイレ歩行などが問題ないことを確認してから、帰宅していただきます。日常生活は問題なくできます。

術後1~7日は起き上がろうとしたり、咳をしたりすると痛みが少しありますが、鎮痛薬を処方しますので痛みは緩和されますし、日々、痛みもなくなります。シャワーは手術1日目から可能です。お風呂につかるのは3日後から可能です。

日常生活は術後から普通に過ごしていただけます。仕事は術後1~2日後からデスクワークなら可能です。術後2週間目よりは軽めの運動も可能となります。術後1か月後からは激しい運動も可能になります。

術後の診察

手術2、3日後(全く症状なかったらパスしていただいて結構です。)

1週間後、約1か月後に診察させていただき、問題なかったら終診となります。