肺炎球菌感染症とは、肺炎球菌という細菌によって引き起こされる病気です。この菌は、主に気道の分泌物に含まれ、唾液などを通じて飛沫感染します。日本人の約3~5%の高齢者では鼻や喉の奥に菌が常在しているとされます。これらの菌が何らかのきっかけで進展することで、気管支炎、肺炎、敗血症などの重い合併症を起こすことがあります。肺炎球菌には90種類以上の血清型がありますが、平成26年10月からの定期接種で使用されるワクチン、ニューモバックスNPは、成人の重症の肺炎球菌感染症の原因の約7割を占めるという23種類の血清型に効果があります。肺炎球菌ワクチンの接種後にみられる主な副反応には、接種部位の症状(痛み、赤み、腫れなど)、筋肉痛、だるさ、発熱、頭痛などがあります。接種後に気になる症状や体調の変化があらわれたら、すぐに当院、かかりつけ医、もしくは救急外来にご連絡ください。高齢者肺炎球菌予防接種については、65歳の方を対象に平成26年10月から令和5年度まで 各年度65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳を迎える方を対象定期接種で実施しています。この制度では、今まで肺炎球菌ワクチンを接種したことがない方を対象に、5年間に一人1回、定期接種の機会をあります。対象の方が定期接種を受けられるのは、該当する年度の1年間のみに限られますので、定期接種を希望される方は、必ず指定期間に接種を受けてください。